不登校・思春期の引きこもりのお子さんと毎日頑張るお母さんのためのHP「笑顔のたね」雑記です。HPも御覧下さい。


by egaonotane
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知らないこと

今晩は涼しいですね。(といいながらクーラーつけてる)

朝の散歩の時、あまりにも毎日猛暑続きでなので、やすらぎ堤の草木が

枯れてしまうのではないかと少しばかり心配になりました。

私のお気に入りの小さな木の葉が少し変色してたし。

昼前に雨がザッときた時は一安心。



今日は本の紹介。

不登校関係の本ではありませんが、ちょっと紹介。

ずっと本屋さんで目にして焦点が合うし、気になっていたけど、何となく手に

取る気にはならず、毎回素通りしていました。

そんな中数日前、不意に手に取り、なんと購入しました。

あの猿まわしの太郎と次郎の、村崎太郎さんの「橋はかかる」という本です。

村崎さんの出自は被差別部落というもの。


小学生の時だったか…同和問題というものを、何の実感もなく先生の話しを

一方的に聞かされて、どこか異国の出来事のような感覚で、でも差別を

してはいけないみたいなことを教えられた気がします。

あの頃、それなりの豊かな社会の中の私の知らないところで、部落差別という

ものが存在し、今もなおその部落といものに苦しめられている方達がいるという事実。

遠い昔からあった最も底辺とされた身分。

その地域出身だというと、誰も何の根拠もないのに「なんとなく…」という差別が

続いてきたのです。



そういう地域が現存しているということに驚きました。

猿まわしというものも、そんな方たちが生きていくための生業として生まれた

ものなのだそうです。


「笑っていいとも」への出演を機に、反省猿として一躍有名になりましたね。

私も当時、楽しませて頂きました。


でもそのバックグラウンドにある、並大抵ではない苦しみを私は知らず、

笑いというもので幸せな気持ちにさせて頂いてました。


部落出身だということから就職差別、結婚差別というものまである。

村崎さんがそんな世の中、自分の出自というものに絶望し、

うつになった時に出会ったフジTVプロデューサーの栗原美和子さん。

お二人が結婚に至る場面は、本当に泣けました(マックで泣いちゃったよ…)

泣けるというのは悲しいのではなく、栗原さんの心の在り方と考え方の

崇高さというのかな?心が動いてという理由です。

本当にすごい方だと思いました。

奥様と出会い、本来の自分の進むべき道を歩む村崎さん。

その言葉から真実の思いが、私の胸に深く深く伝わりました。


「話せる」ということが
どんなに人を自由にするだろう

と本の表紙にあります。

差別を受けてきたこの日本という国に愛されたくてたまらない。

そんな愛する日本に真の意味で素晴らしい国になって欲しいというのが

村崎さんの願いです。


この本は私にしては珍しく、最速で読み終わりました。

のほほ~んと暮らしている私にとって、世の中にはまだまだ知らない本当に

不条理なことが存在しているという事実を胸にしっかりと刻もう。


村崎さんは、新たな傷を生まないために、傷ついた当人たちは

語らなければならない、語る義務を果たして欲しいと言っています。

そういう人間が増えたなら、きっと世の中は変わる。

この世の中を動かせるのは、ひとりひとりの心だけだ。

つまりあなたの心だと。

そんなメッセージのある本です。


あ~手に取って良かったっ!


*「橋はかかる」

村崎太郎+栗原美和子著

ポプラ社 1300円
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朝くろちゃんと散歩中、草むらからカニの横歩きに遭遇!びっくりでした。
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by egaonotane | 2010-09-04 01:23 | 心が動いたこと